屋根の葺き替えVSカバー工法｜メリット・デメリットを徹底比較！
屋根の経年劣化や色褪せ、破損による雨漏りなど、屋根全体を修繕するためのリフォームに「葺き替え工事」と「カバー工法」があります。
部分的な改修工事に比べると費用がかかるため、屋根の状態に適した工事方法を確実に選択したいものです。
この記事では、「葺き替えとカバー工法のどちらが自分の家に適しているの？」と疑問を抱くあなたに向け、それぞれのメリット・デメリットについて解説しました。
屋根工事の内容をあらかじめしっかり把握しておくことで、見積もりを出す際に業者に質問がしやすくなります。
屋根の大型リフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
葺き替えとは？-下地まで補修する-
「葺き替え」とは、古くなった屋根材を完全に取り払い、新しい屋根材に張り直す工事を指します。
部分的な改修工事や、後で紹介するカバー工法とは違い、屋根の下地の修理も一緒に行えるのが特徴です。
屋根材を撤去して下地が見えたら、桟木や野地下などの破損具合を調べ、必要に応じた修繕をします。
防水シートも新しく張り替え、最後に綺麗な屋根材を設置するという流れです。
徹底的に屋根の修繕を行いたい方におすすめの工法ですが、元々の屋根材によって対応できる素材が変わってくるため注意が必要です。
それぞれに適した屋根材の種類は以下のようになっています。
・スレート→スレート｜金属系屋根材
・金属系屋根材→金属系屋根材
・瓦屋根→瓦｜スレート｜金属系屋根材
基本的に、元ある屋根材よりも重たい素材は選べません。
家屋は、建設時の屋根材の重さに耐えられるよう建築されているため、既存の屋根材よりも重たいものを設置すると、負担がかかって家屋の寿命を縮めてしまいます。
工事費用は約90万円からとなっていますが、扱う屋根材の種類や下地の修繕内容によって工事費用は変わってくるため、まずはリフォーム業社に見積もりを出してもらいましょう。
葺き替えのメリット・デメリット
屋根の葺き替え工事のメリット・デメリットには、以下のようなものが挙げられます。
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メリット |
デメリット |
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・屋根の寿命を延ばせる ・瓦屋根は見た目をガラッと変えられる ・災害による破損は火災保険が適用されることがある |
・費用と日数がかかる ・廃材がたくさん出る ・工事中は雨漏りのリスクも |
葺き替え工事は大規模な作業です。
前もってメリット・デメリットを知ることで、ご自宅にあった工事方法がどうかがイメージできるようになります。
詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
葺き替え工事のメリット
・屋根の寿命を延ばせる
葺き替え工事は、下地を含めた屋根全体を一度にリフォームできるため、新築時のような仕上がりになります。
屋根の寿命が長くなるのが嬉しいポイントです。
たとえ瓦屋根のように耐用年数が50年以上の屋根材を使用していても、屋根の下地は定期的なメンテナンスが必要です。
下地の寿命は防水シートで15年〜20年ほど、野地板で30〜40年ほどとされているため、葺き替え工事の際に一度に劣化部分を修繕してしまった方が、次回までのメンテナンス時期を延ばせます。
・瓦屋根は見た目をガラッと変えられる
瓦屋根を使用している家屋の場合は、新たな屋根材にまったく違うものを採用することでガラッと家の印象を変えることが可能です。
重い瓦屋根からスレートや金属屋根などの軽量な素材にリフォームすることで、屋根の耐震性もアップします。
家の見た目を大きく変えたい方や、地震発生時の瓦の落下やズレが気になる方にはもってこいの工法と言えます。
・災害による破損は火災保険が適用されることがある
台風などの自然災害が原因で破損が起きた場合は、火災保険が適用になることがあります。
破損が生じてから3年以内に申請し、20万円以上の修繕費用がかかることが条件ではありますが、もし適用されると工事費用がかからない場合があるため要チェックです。
葺き替え工事のデメリット
・費用と日数がかかる
葺き替え工事のデメリットは、費用と日数がかかってしまうことにあります。
作業内容が大掛かりで、すでにある屋根を撤去する際に、廃材の処分費用と作業にかかる人件費が必要なためです。
作業工程もカバー工法より多いため、工期は5日から2週間程度とどうしても時間がかかってしまいます。
また、2004年以前のスレート屋根はアスベストという有害物質が含まれている場合があります。
アスベストを含むスレート屋根を使用しているお宅をリフォームする場合、破片が周囲に飛び散らないよう対応しなければならないため、その分修繕費用が高くなることがあります。
・廃材がたくさん出る
屋根の解体中は埃やチリが発生しやすいため、近所に気を使ってしまうという方もいるでしょう。
葺き替え工事を始める前に、菓子折りなどを持ってあらかじめ近所の方に埃や騒音が出ることを伝えることをおすすめします。
・工事中は雨漏りのリスクも
葺き替え工事の施行中は、屋根が完全になくなってしまうため、雨が降った際に雨漏りを起こしてしまうことがあります。
雨天時はブルーシートで屋根全体を覆いますが、できるだけ雨の少ない時期を選んで工事をするのがおすすめです。
葺き替え工事がおすすめの人
以下のような場合は、葺き替え工事がおすすめです。
・雨漏りが発生している
・築年数がかなり経過している
・日本瓦を使用している
天井にシミができていたり、雨天時にポタポタと雨が漏れてきたりしている場合、下地材が傷んでしまっていることが考えられます。
葺き替え工事で下地材からしっかりと修繕してください。
築年数がかなり経過していて一度もメンテナンスをしたことがない場合も、下地の劣化を修繕するために葺き替え工事を視野に入れた方がよいでしょう。
また、日本瓦の波型の形状はカバー工法には適していません。日本瓦を使用されている方は、基本的に葺き替え工事が対象になると考えてください。
カバー工法とは？-既存の屋根を新しい屋根材でカバー-
カバー工法は、すでにある屋根の上に新しい屋根材を重ねること工事で、「重ね葺き」と呼ばれることもあります。
スレートや金属屋根材のような平らな屋根が対象です。
最初に屋根の頂上部分にある棟や雪の落石を防ぐ雪止めなどを取り外し、高圧洗浄で汚れを落とした後、防水シートと新しい屋根材を張っていきます。
屋根を撤去する手間がない分費用は80万円からと葺き替え工事より安く、工期が短いことが特徴です。
カバー工法のメリット・デメリット
カバー工法のメリット・デメリットは以下の通りです。
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メリット |
デメリット |
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・費用が安く工期が短い ・埃が立ちにくい ・防音性や断熱性がアップする |
・瓦屋根には施工できない ・屋根の重量が増す ・下地の補修が必要な場合は適さない |
それぞれの詳細を説明していきます。
カバー工法のメリット
・費用が安く工期が短い
カバー工法は、廃材の撤去が必要な葺き替え工事に比べて費用が安く、工期も3日から7日前後と短く済むのが魅力です。
ただ、屋根の面が多い「寄棟（よせむね）屋根」や込み入った形状の屋根の場合は工事費用がプラスでかかることがあるため注意してください。
・埃が立ちにくい
カバー工法は埃や騒音が立ちづらく、葺き替え工事ほどご近所の方に気を遣わなくていいというメリットがあります。
・防音性や断熱性がアップする
屋根の上に新たな屋根を設置することで二重屋根構造となり、防音性や防水性が高くなります。
雨天時の雨音がうるさくて気になるという方には、カバー工法がおすすめです。
また、夏の暑さに悩まされている方は、断熱性のある屋根材を選ぶとより快適に過ごせます。
カバー工法のデメリット
・瓦屋根には施工できない
カバー工法は、瓦屋根の家屋には対応できないのがデメリットです。
基本的に平らな屋根にしか新たな屋根材を設置できないため、うねりのある形状の瓦屋根はカバー工法の対象外となります。
・屋根の重量が増す
屋根が二重構造になることで、屋根全体の重量が増してしまうという側面もあります。
屋根の重量が大きくなると、地震が起きた際に横揺れしやすくなり、その分耐震性が低下してしまいます。
スレート屋根を使用している場合はそれより軽い金属屋根材を選択するなど、施工後の重量も考慮した素材選びをするとよいでしょう。
・下地の補修が必要な場合は適さない
下地が破損した状態でカバー工法を行うと傷んだ下地がそのままになってしまいます。
また、屋根全体の劣化が進んでいる状態でカバー工法をしても、すぐに下地のメンテナンスが必要になってしまうため経済的ではありません。
下地までダメージが侵食している場合は、葺き替え工事を選んだ方が無難です。
カバー工法がおすすめの人
以下のような場合は、カバー工法がおすすめです。
・大掛かりな工事は避けたい
・近いうちに建て替えをする予定がある
ご近所トラブルが気になる方や、小さいお子さんが日中昼寝をするお宅では、埃や騒音の少ないカバー工法が向いています。
また、近いうちに家を建て替える予定がある人は、費用のかかる大掛かりな噴き替え工事だと勿体無いケースがあります。
事前に業者に相談するようにしてください。
屋根の工事方法で迷われている方はぜひ無料相談を！
屋根の葺き替え工事とカバー工法にはそれぞれメリット・デメリットがあり、家屋の状態や予算などによってどちらが適しているかが変わってきます。
なかなか個人では判断しづらいという方は、まずリフォーム業者に調査してもらい、見積もりを出してもらいましょう。
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屋根について不安なことがある方は、どんな些細なことでも結構ですので、ぜひ一度お話をお聞かせください。