塗装すればOKじゃない!?塗装してはいけない屋根・外壁を解説
外装メンテナンスを検討する際に、真っ先に思い浮かぶのが屋根・外壁塗装ですよね。
お宅の外観をきれいに蘇らせて機能を正常に戻すためには、塗装は効果的な方法です。
しかし、外壁の劣化症状の全てが塗装で解決できるわけではありません。
場合によっては塗装が無意味だったり、かえって悪影響を及ぼしたりすることもあるのです。
そこで、塗装してはいけないor塗装をおすすめしないケースについて解説します。
ご自宅のメンテナンスを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
屋根は素材や状況によって
塗装できない!
代表例を紹介
まず、屋根について塗装メンテナンスが適さないお宅の例を紹介します。ご自宅が当てはまる場合は、注意しましょう。
パミール屋根(ニチハ)
「パミール」は、ニチハ株式会社が1996年から2008年にかけて製造・販売していたスレート屋根材の一種です。
5年から7年で表面が何層にもわたってパイのように剥がれ、10年程度で屋根材が崩れ出してしまいます。
また、釘頭が腐食し、取れてなくなってしまうことで、屋根材がズレてしまう事象もよく起こります。
報道番組でも取り上げられ、裁判にもなりました。現在は販売されていません。
パミールでは、塗装をしても屋根材そのものが剥離・崩壊してしまうため、意味がありません。
メンテナンスはカバー工法か葺き替え工事が必要になりますが、既に下地まで傷んでいるようであれば葺き替え工事しかご提案できない場合もあります。
2008年以前に建てられたスレート屋根のお宅は、念のため注意が必要です。
当社では、拝見すれば屋根材に何が使われているか、もちろんパミールかどうかもわかりますので、ぜひご相談ください。
ノンアスベストの屋根材
戸建て住宅に多く用いられているスレート瓦ですが、実は2003年までに製造・販売されていたものにはアスベスト(石綿)が含まれていました。
ところが、2004年からアスベストの使用が全面的に禁止になり、スレート屋根材もノンアスベストに変わりました。
アスベストが含まれていないため、健康や環境への影響はなくなりましたが、耐久性が劣ったのも事実です。そのため劣化が塗装で防げなくなってしまいました。
つまり、塗装NGというよりも塗装以外の張り替えや重ね葺きの方法が適していると言えます。
ご自宅がノンアスベストの屋根材かどうかの判断基準はいくつかありますが、2004年以降に建てられたお宅の場合には要注意です!
また、設計図に屋根材(メーカーや商品名)についての記載があれば、そちらからでも塗装できるかどうかを判断できます。
ぜひ、メンテナンスを検討中の方は、当社へご相談ください。
日本瓦の屋根
日本瓦は基本的にはどれも塗装はできません。
なぜなら、表面の釉薬などによって防水性や耐久性を確保しているためです。
そのため、日本瓦自体はメンテナンスフリーと言っても過言ではありません。
ただし、瓦そのものに割れや破損がある場合や、周辺に塗られている漆喰が劣化している場合にはメンテナンスが必要です。
雨漏りが心配なお宅はもちろん、それ以外のお宅でも最低でも10年前後に一度は屋根診断を受けましょう。
既存塗装面が劣化している屋根材
既に一度以上屋根塗装をしているお宅の場合の再塗装工事は要注意です。
既存の塗膜が劣化して剥がれている場合は、既存塗膜を剥がすかシーラーで固めてから上に仕上げ塗装を施しますが、塗料の持っている機能を十分に発揮できない可能性もあります。
また、塗膜を塗り重ねることで水の抜け道を防ぎ雨漏りを引き起こすリスクも生まれます。
既に屋根塗装をしているお宅には、張り替えや重ね葺きの方法をおすすめします。
劣化が激しい屋根材や雨漏りしている屋根
苔・藻や細かいひび割れ程度であれば塗装でカバーできますが、瓦の割れ・破損があり既に雨漏りしている場合には、残念ながら塗装では修理できません。
また、破損箇所へコーキング剤を充填して雨漏りを止めてしまう方法は、雨漏り被害をさらに広げるので、絶対にやってはいけません。
既に雨漏りをしているのに塗装工事を進める施工業者には注意してください。
外壁も素材や状況によって
塗装できない!
代表例を紹介
外壁は屋根に比べて仕上げ材が限定されるので、どのお宅でも塗装できると思われがちですが、実は外壁にも塗装できないケースがあります。
高性能塗料がまだ劣化していない外壁
外壁にはシリコン系やウレタン系塗料を使うのが一般的ですが、近年は耐久性や耐水性が高いフッ素系塗料や、汚れのつきにくい光触媒塗料を用いるお宅も増えてきています。
それらの塗料は耐用年数が15年程度と言われているため、それ以前での塗り替えはおすすめできません。
「劣化していないが、カラーを変えるために塗り替えたい」という方もいらっしゃいますが、上から塗った塗膜がすぐに剥がれるなどのリスクがあります。
サイディング直張りの外壁
今ではその施工性や耐久性、意匠性から多くのお宅で用いられているサイディングですが、普及し始めた1990年代当初は現在とは異なる施工方法でした。
それが直張り(じかばり)です。
現在は、下地壁とサイディングの間に空気層を設ける外壁通気工法が通常ですが、直張りは下地壁に防水シートを貼ってその上に直接サイディングを設置します。
そのため、結露が発生してサイディングの劣化が早まり、その上から塗装を施しても耐久性は維持できません。
1990年代に建てられたお宅で直張りかどうかは、サイディング下の水切り金物との隙間に、厚紙などを差し込んで奥まで入るかどうかで判断できます。
奥まで入れば外壁通気工法が用いられており、サイディングの厚み分しか差し込めなければ直張りということです。
劣化が激しい外壁材や雨漏りしている外壁
サイディングの外壁、モルタル仕上げの外壁共に、劣化が激しく雨漏りしている場合は、上から塗装するだけでは根本的な解決にならないことがあります。
ただし、外壁材の劣化がひどくなく、限定的な箇所から雨漏りしているだけであれば、コーキング処理と塗装で改善できる可能性もありますので、まずは当社へご相談ください。
まずは当社へ
ご相談ください!
塗装メンテナンスが適さない屋根・外壁についてお話してきました。
築年数・使用している素材や工法・劣化具合によっては、塗装メンテナンスでは対応しきれません。
しかし、それを一般の方が判断するのはとても難しいので、屋根・外壁のメンテナンスを検討している方は、まず当社へご相談ください。
丁寧に診断した上で、ご予算に合った適切な施工方法をご提案いたします。